2014年11月19日

Mr.Children "足音〜be strong" にまつわる雑感

ミスチルの久々のニューシングルが発売された。

 まず驚いたのが、タイトル曲である”足音〜be strong”のクレジットから小林武史の名前が消えていたこと。この10年以上、ファンの間ではミスチルの音楽がマンネリ化してきたという議論が絶えず、その原因は少なからず小林武史にあるという論調が多かった。自分も同じような意見を持ってきたが、今回ついにミスチルは初のセルフプロデュースを行った。肝心のサウンドだが、ストリングも多用した壮大なロックバラードであるとともに左右からエッジの立ったギターがきちんと聞こえて、”終わりなき旅”を彷彿とさせるものに感じた。曲は初聴したときはサビのメロディーがイマイチだなあと思ったが、繰り返し聞くうちに、最近はない力強さを感じるようになった。何より、ミスチルが活動23年目にして初の試みを行い、シングルとしてCDをリリースしたことがうれしいのだが。

 そんなこんなで、3曲入りの今回のシングルCDを聞きながらふと、ミスチルの、言い換えれば桜井和寿の音楽性について考えをめぐらせてみた。自分の場合、ミスチルとの出会いは高校の時友人に勧められたのがきっかけだった。ちょうどアルバム”Q”のリリース時で、その時はさほどピンとこなかったのだが、翌年発売された2枚のベスト盤は高校生の自分の心を完全に打ち抜いた。これまで何となく聞いてきたJ-popとはなんだったのか。これこそが本物の音楽であり、ロックであり、表現というものなのだと思った。そこまで自分を虜にしたのは、特に95年頃からの曲からにじみ出る孤独感、苦悩、弱さといった部分だった。”名もなき詩”,”ALIVE”,”終わりなき旅”.圧倒的な説得力がそこにはあった。一見希望を歌っている曲でも、その背景にはドロドロした混沌が満たされているように思えた。少なくとも当時の自分は、音楽でこのような切り口で表現された曲を知らなかったし、よくあるうわべだけのメッセージソングなんかよりも遥かに心に響いた。

 ベスト盤発売後、人生でこれほど新曲を心待ちにしたことはなかった。しかし期待とは裏腹に、肩透かしを食らうことが続いた。悪い曲ではない。なんせミスチルの新曲である。それだけでうれしいが、夏に自分の心を捉えたのと同レベルの興奮は訪れなかった。簡単に言えば、穏やかで丸くて幸せになったミスチルがそこにはいたのである。希望のメッセージはより確信度が高く、明らかに前に進むことを曲全体が語っていた。当時の自分は、それを簡単に受け入れることができなかった。きっと次はあっと言わせてくれる、自分の心境に寄り添うアルバムになるに違いない。そんな期待をずっと抱いていた。しかし徐々にミスチルの音楽が変化したことを受け入れ始めた。やがて、過去のミスチルから期待する像を押し付けずに聞いた方が楽しめる作品が多いことにも気づき始めた。つまり、最初のベスト盤での出会いでとんでもない興奮が訪れてから、ちょっと自分とミスチルの波長は少しずれたままなのである。

 しかしおそらく、これは多くのファンが抱いた心境なのではないかと思う。実際、某通販サイトのCDレビューやファンサイト掲示板では同様の議論がされてきたのを見てきた。そして、冒頭に述べた小林武史に向けられた批判もこの時期に生まれてきたように思える。小林武史のストリングスやキーボードによるサウンドプロデュースが過剰でロックバンドとしての体を壊しかねないものであることや、ライブでのメンバー以上に演奏で目立つスタイルは個人的には好きでない。だが、ミスチルの近年の楽曲が持つ音楽性がこのようなサウンド面での変化を要求していたということは考えられないだろうか。だとすれば、小林武史だけに責任転嫁をするのはファンの都合であり、小林武史が離れたとしても作品自体は大きく変化しない可能性も考えられるだろう。

 デビュー以降のミスチルを見てみると、内省的な音楽性にバンドサウンド剥き出しでやっていた時期は4年ほど(96年~99年)であり、意外と短い。それでも多くのファンがミスチルにロックバンドとしての姿勢を求めてしまうのは、この時期に生み出された"深海","BOLERO","DISCOVERY"といった作品があまりにも強烈だったからなのだろう。自分も、これらの作品抜きではこれほどのファンにならなかったはずだ。もしかしたら、ミスチル(桜井和寿)からすれば、やっている音楽はそんなに変わっていないつもりなのかもしれない。すなわち、良いポップソングを作るという軸は変わらず、それが一時期はロックに振れていただけなのかもしれない。深海〜DISCOVERY期の暗い内省的な曲は、むしろ当時のミスチルを取り巻く状況のなかで精神的なバランスを崩され、誘発されたものと考えることもできる。桜井氏のこれまでのインタビューなどを見聞きしてみると、本来は明るいポップソングを作ることが自然な人なのではないかと思えてならない。そう考えると、自分を含め多くの人を虜にした時代の作品は、本来の意図した曲とは違ってしまっているのだろうか。世間の状況やプロデュースなど商業的なものに操作された、虚構のものだったのだろうか。

 答えはおそらくNoだろう。音楽制作に向かうメンタリティーがどん底であったとしても、その中で自分と向き合い生み出した音楽があの時期の作品たちだ。取り巻く状況の要因があったにせよ、あれがミスチルの持つ確かな一面であることに揺るぎはないはず。なにより、当時の作品は現在もライブで大事な局面で取り上げられていることから、メンバーたちがいかに重要な曲と認識しているかは明らかだろう。そして、このような紆余曲折を経た現在、仮に深海の頃と同じような精神状況が訪れたとしても、当時と同じような曲が生まれることはないのだろう。

 これまでの活動の中での単純な音楽性の変化を見れば、明るいポップソングからシリアスな音楽へ移行し、再び明るくなったということになるが、単純に以前に戻ったということではない。ただ明るいのではなく、世間を取り巻く悲しみや矛盾を受け入れたうえで、全てを肯定しようとしているのが、近年のミスチルの音楽なのだ。”It's a wonderful world”以降、基本的にこの路線は変わっていない。これが、最近のミスチルが難しい理由なのだと思う。また、”Supemarket Fantasy”のころから、桜井氏はただ単に自分たちが満足する音楽でなく、リスナーの目線を考えて作っている旨の発言をしているが、これも音楽に対する向き合い方が変わってきたことを裏付けているだろう。わざわざ、自己をさらけ出してまで歌いたいことがなくなってしまったのか、あるいはリスナー目線も汲んだ上でさらなる高みを目指そうとしている途中なのか。

 今回のセルフプロデュースは、ミスチルの音楽性をまた変化させるきっかけとなるのだろうか。何があれ、ここまで虜にしてくれた唯一無二のバンドである。今後も応援してゆきたい。




(本文はあくまでも個人のブログでの感想の延長です。これまで雑誌やテレビで見聞きしていた内容については、いつのものであったか確かでないため出典等は載せていません。ご容赦ください。)


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ラベル:ミスチル 音楽
posted by Shim at 15:15| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月15日

【オリジナル曲】 Another Sound

Another Sound

written by Shim




It is hard to breath so easily
Falling down unbearable noise
Silly word floating silently
Outside of my feathery soul

Now still remind me of my mind
You will never be the same

I feel sick again
Would you cure me with your naughty smile?
Let me be inside
And always have that sound in silence

Now I feel that I have emptiness
Like a cave under the deep sea
You will find the way so easily
Standing outside of that door

Now still staring at the sun
The shine bring me back to youth

I have seen that sight
Like always be there long before
I feel that inside
It always wastes me in my life outside of my mind

Now it’s time to say hello again
Every moment blinds me out
Nothing would have been the same

I feel sick again
Would you fill me with your angel voice?
Let me be inside
I always see that in my life outside of mind






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posted by Shim at 18:38| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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